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RADIKAL CHOPPER R18 Magnifica

BMWBIKES vol.99 掲載記事

Text / Tadashi Kono
Photo / BMW Motorrad

繊細さと大胆さ中世的な機械の芸術。

RADIKAL CHOPPER
BMW R18 Magnifica

ビンテージレーサーへの
オマージュ

 このR18ベースの「マグニフィカ」を制作したのはイタリアのカスタムファクトリー/ラジカル・チョッパーだ。

 オーナーでありカスタムバイクビルダーであるアンドレア・ラダエリは、ハーレーダビッドソンのカスタムシーンで多くの経験を積んだのち、2010年に「ラジカル・チョッパー」ブランドで活動を開始。

 鉄やアルミ、それに真鍮などあらゆる金属を駆使し、板金、彫金、溶接など高い金属加工技術をもちいて個性的な作品を多数発表している。

 その最新作が「マグニフィカ」だ。モチーフになったのは1920年代半ばにBMWがリリースした市販レーサー「R37」。

 ステアリングヘッドからリアアクスルまで、真っ直ぐに伸びるメインフレームに、シンクロするようにデザインされたコンパクトなタンクを採用するR37は、それによってエンジンを強調し、同時にバイクを形成するすべてのパーツを美しく見せることに成功している。

 ラジカル・チョッパーが「マグニフィカ」でチャレンジしたのも、そのエンジンと車体の、美しいバランスの再構築だったのだ。

すべてにおいて緻密に計算し
手作業によってそれを実現している

左右に張り出したシリンダーを強調するタペットカバーや、隆起したエンジンフロントカバーはラジカルチョッパーがデザインおよび制作したオリジナル。
ジョッキーシフトと呼ばれる、シフトロッドから伸ばしたシフトノブでシフトチェンジを行なう。そのシフトノブにも意匠が凝らされている。
本来エアクリーナボックスに隠れているFIのスロットルボディに、真鍮で制作したオリジナルのファンネルをセット。
左手で操作するジョッキーシフトに合わせ、クラッチは左フットペダルに移植されている。ペダルやマスターシリンダーもしっかりデザインされている。
メインフレームおよびスイングアームはスタンダードのままだが、リアのショックユニットは変更されている。個性的な木製シートは中央にステンレスを挟むことで、木の温かみの中にアヴァンギャルドなイメージをプラスしている。
オリジナルのガーダーフォークは複雑な曲線と、磨きこまれたディテールを組み合わせて構成。各アライメントはスタンダードを参考に構成されている。
タンクキャップやメーターハウジングなど、細かなところまで徹底的にデザインされている。
ガーダーフォークとハンドルの関係、ハンドル形状、そして極細の燃料タンクと木製シート。「マグニフィカ」の多くのトピックスを堪能できるアングルだ。前後アルミホイールもラジカルチョッパーにより設計され、アルミの無垢材から削り出されている。

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