IMPRESSION

インプレッション

METZELER KAROO 3

BMWBIKES vol.90 掲載記事

Text / Tsutomu Matsui
Photo / BMW MOTORRAD

METZELER KAROO 3
IMPRESSION of Trophy Rider.

GSトロフィーを支えたカルー3
オンオフ問わぬ総合力を検証する

2020年2月
ニュージーランドを舞台に9日間
265kmを移動したGSトロフィー。
F850GSに装着されたカルー3は
抜群の性能を見せた。
舗装路50%、未舗装路50%というルートで
魅せたこのタイヤの素顔を紹介する。

走りに集中させる
これだけのファクト

 2008年の初回以来、2年に一度行なわれているインターナショナルGSトロフィー。過去、サハラ砂漠、南アフリカのサファリ、南米パタゴニア、カナダの深い森、タイの熱帯雨林トレール、モンゴルの大平原、そして2020年は絶景の国、ニュージーランドを縦断した。

 7度に渡るGSトロフィーにおいて、メッツラータイヤは一貫してタイヤのオフィシャルサプライヤーとして冒険旅行を支え続けてきた。今回、ニュージーランドにおけるルート設定は、オン・オフ比率でみれば50/50%。日々の移動距離は、最短70km、最長450km。長い日の移動は12時間を越え、まさにアドベンチャーライドを続けながら8日間を駆け抜けたのだ。

 高速ダート、ガレ場、砂、泥、渡河、そして急傾斜の上り、下り。あらゆるタイプのオフロードが待っていた。アスファルト移動では100km/hの制限速度を維持しながら長いワインディングを駆け抜ける日々だ。

 F850GSに装着されたカルー3は、常に信頼あるグリップとハンドリングを提供し、ライダー達にこの冒険旅行を満喫させた。その役目は全方位に秀でたタイヤだけができる仕事だったのである。

インターナショナル
GSトロフィー公式タイヤ

METZELER
KAROO 3

こんなに持つなら、
もっと開ければ良かった!

君島真一

Shinichi Kimishima

 GS仲間にカルー3を装着している人がいなくて彼らが履いているタイヤを自分も選んでいました。今回、カルー3を履いて走るのは初めてでした。ニュージーランドでは、オンとオフを繰り返し走るルートでした。その状況にぴったりのタイヤだと思います。そしてどんな路面も無難に走ることができる。オフロードは滑らずしっかり走る。不満は無かったです。タイヤを傷めないよう、減らさないよう走りましたが、これだけライフがあるならもっと開ければ良かったと思いました。

 年間1万kmは走ります。ラリーイベントなどにも参加するので、グリップ力とライフのバランスが良いタイヤが理想ですね。今回のトロフィーで、カルー3への見方、印象が変わりました。

カルー3はもう一人の相棒。
ゴールでお疲れ様と言いました。

寺尾義明

Yoshiaki Terao

 GSとオフ向けタイヤ、私自身それほど経験豊富ではありません。その分、今大会では先入観なくカルー3になじめたと思います。空気圧も調整禁止、2kPa指定でした。その状況下、GSトロフィーでのカルー3の印象は、川の中、ダートの山岳路、アスファルト、一部雨が降った日もありました。そんな状況をしっかり楽しめました。リムを変形させたライダーはいましたが、パンクしたと言う話も聞きませんでした。

 自分自身、無理せずラインを選んで走り、ライディングモードを切り替えながら走りました。タイヤのトレッドが滑らかに減って行く印象です。ゴールでタイヤをじっくり見てお疲れ様、と言いました。オススメできるタイヤだと思います。

長距離で疲れないタイヤ。
GSとの相性も良好でした。

上田 直

Sunao Ueda

 自分のHP2エンデューロには、リアを18インチ化してソフトブロックのエンデューロタイヤを履き、空気圧を落として走るハードエンデューロ系の乗り方でした。

 今回のGSトロフィーのルートは、ロードとダートの割合が半々で、移動ペースがとても速い。このタイヤはオフ性能を持ちながら、オンロードもストレス無く走れる。疲れないんです。 ワインディングを攻め込んでもグリップがあり、モタード的乗り方にもしっかり応えてくれる。F850GSが持つ性能をバッチリ引き出す印象です。ダートのハイペース走行でも信頼に足る性能でした。エンデューロタイヤ派でしたが新しい発見です。HP2にもこうしたタイヤを履いて遠出しようと思います。

ジャーナリスト松井勉の総論

電子制御時代の
高性能タイヤの真実

 メッツラー・カルー3は、ビッグアドベンチャーバイク向けオフロードタイヤである。その開発は水冷R1200GSと並行して行なわれたという。最初にカルー3を見た印象は、キャラメルブロックパターンが定番だったオフ系タイヤから、オフでのグリップとロードでの剛性感を狙ったトレッドデザインが特徴で、それは今なお斬新だ。

 基本的なタイヤ構成としてメッツラーが誇るラジアル構造技術、コンパウンド技術など基礎技術力に加え、最新の電子制御技術を盛り込んだサスペンション、トラクションコントロールなどと協調した開発がされたのだ。

 それからまもなく、メッツラーがタイヤテスト部門を置くイタリア、シシリー島へと行くチャンスを得た。メッツラーが徹底した実走テストをすることは聞いていたが、そのルートの多様さに驚いた。

 石畳の市街地、荒れた郊外路は言うに及ばず、海岸線に沿って走る高速道路では横風が吹き続け、島の象徴、活火山であるエトナ山周辺では、火山灰で滑りやすい荒れた舗装だ。同時に標高差による天候変化、気温変化も体験した。また、ISDEで使われたルートや、かつて行なわれた公道レース、タルガフローリオのルートも使われる。そこは舗装路だが路面変化が嵐のような道で、舗装されたモトクロスコースのようですらあった。

 島の中央部にあるペルグーサ湖を取り囲むアウトドローモ・ディ・ペルグーサというサーキットでは、エスケープゾーンがほとんど無い中、超絶ハイスピードコーナリングも体験。GS+カルー3はここでも全開ロードテストされるという。

 ニュージーランドのGSトロフィーを走りながらカルー3が持つ総合性能が、徹底した実走テストから生まれていることを再認識した。旋回、ブレーキ、トラクションのグリップバランス、こう開けると滑るけど、こうすれば大丈夫、しっかりと曲がれる、というように、GS+カルー3+自分という乗り方のパッケージベストを探しやすい。タイヤは滑った後、どう滑らかに、そして収束させるかが大切だ。テストからはじき出された高いピークを製品に封入し、人間の感性を大切にしているがメッツラー流だ。

 そこにビギナーが欲しい安心感から、エキスパートが望む高い領域までがカバーされる。それがカルー3なのだ。

踏み込む勇気をくれた、
GSをもっと楽しむ魔法。

GOOD POINT!!

GSと共同開発された相性の良さ
電子制御と協調するタイヤ設計
舗装路でのハンドリングの確かさ
オフロードで感じる安心感
総合性能とライフのバランス

METZELER
KAROO 3

FRONT
110/80 – 19 M/C 59R M+S TL
120/70 R 19 M/C 60T M+S TL
90/90 – 21 M/C 54R M+S TL

REAR
130/80-17 M/C 65R M+S TL
140/80-17 M/C 69R M+S TL
150/70-17 M/C 69R M+S TL
170/60 R 17 M/C 72T M+S TL
140/80-18 M/C 70R M+S TL
150/70 – 18 M/C 70R M+S TL