開催日:2022年10月8日〜9日
開催場所:志賀高原特設会場
広大な志賀高原一帯のスキー場を舞台に開催されるG/SDAYSは、GS乗りのとって年に1度のお祭りのようなイベントだ。今年も10月8日~9日の二日間に渡って開催され、190台に迫るGSが集結。あらゆる魅力的なプログラムが実施されるこのイベントに編集部も参加した。
<後援>長野県山ノ内町、一般財団法人 和合会、志賀高原ユネスコエコパーク協議会、BMW MOTORRAD JAPAN(順不同)
<特別協力>一の瀬旅館組合、志賀高原リゾート開発 株式会社、志賀高原プリンスホテル、志賀高原焼額山スキー場(順不同)
<特別協賛>コールマンジャパン株式会社、ピレリジャパン株式会社、株式会社ゴールドウイン(順不同)
今年の9月から10月にかけては秋雨前線が活発化し、週末になると雨模様という状況が少なくなかった。G/Sデイズの初日である10月8日もその例外に漏れず、当日は朝から霧雨が降っていた。しかし、会場である志賀高原のホテルが立ち並ぶメイン広場には、朝からGSが次々と集まり出し、ブリーフィングが始まる8時半ごろには、ゆうに100台を越えるGSが並んでいた。
このG/Sデイズの一番の魅力は、なんといっても普段は決して走ることのできないスキー場のゲレンデを走れること。昨年は天候も良く、ゲレンデもまたとないコンディションだったので、4カ所に及ぶ広大なスキー場に設定されたすべてのコースが開放された。高低差の少ない初心者向けコースから、斜度のきつい上級者コースまであり、上級者向けである焼額山の頂上へと駆け上がるコースは、かなりの難易度だった。
しかしそこから眺める景色はまさに日本離れした、まるでスイスやカナダの山岳地帯を思わせるほどの絶景だった。だが、残念なことに今年は路面コンディションが非常に悪く、ゲレンデ走行は危険と判断され中止となってしまった。残念だが天候ゆえにどうしようもない。
G/Sとはゲレンデとシュトラッセ
このイベントの名称にはGとSの間に「/」が入る。これはもともと1980年に発売された初代GSとも言えるR80G/Sへのオマージュと言えよう。Gはゲレンデ(つまりオフロード)で、Sはシュトラッセ(道・つまりオンロード)を指す。オンとオフ両方が楽しめるということでこの名称になったのだ。それがうまくデザインされたロゴがまたいい感じ。
ゲレンデ走行は中止になってしまったが、このイベントには他にも多数のコンテンツがある。まず編集部は初心者向けライディングスクールの会場へと向かった。会場には50人ほどの参加者が集まり、インストラクターの講義が始まっていた。参加者の中にはオフ走行が未経験というライダーも多く、未舗装の広場でスラロームや、ターンを丁寧に反復。
ときに直接アドバイスを受け、それを次に生かす姿もあった。ちなみに講師である松井勉氏と鈴木大五郎氏は本誌でもおなじみのジャーナリストであり、かつBMW本社公認のオフロードインストラクターの資格所有者なのでその内容は確実で、非常に贅沢で貴重な時間なのだ。霧雨が降り続けレインウエアを着た状態での講習だったが、受講生のまなざしは真剣。GSライダーにとって雨は眼中にないのだ。
午後にはそのスキルを実際に試そうということになり、皆で林道へ。約8㎞ほどの林道を走ったわけだが、誰も転倒することなく無事に走破。舗装路へ出た際に、安堵と達成感に包まれた参加者の表情が印象的だった。
このイベントは首都圏にあるディーラーが合同で主催する。各ディーラー単位で参加者を集めているので、同じディーラーから参加する者同士はすでに仲間として結束が固い。
2日目の午後に開放されたゲレンデを、無事に登頂した皆さん。滑りやすい路面だったので、大きな達成感をもったライダーも多かったことだろう。
林道の途中で休憩中。
「あそこでコケそうになっちゃって」「いやぁ、あそこは危なかった」それがたとえ、初対面だったとしても、同じスクールからの林道体験でとにかく会話が弾む。
降り続いていた霧雨も夕方前には止み、雲間から日が差す瞬間も。参加者は一度それぞれのホテルに戻り、冷えた体を温泉でふやかす。夕食の後は再びメイン広場に集合。中央に設置された巨大なキャンプファイヤーに火が入ると、歓声が上がった。燃え上がる炎を背に、先だってアルバニアで開催されたインターナショナルGSトロフィーの日本代表の会見が始まる。その難しさや苦悩、感動などが吐露され、昨年とは違った夜の楽しみがこのイベントに加わった。
翌日は朝から陽光がのぞく秋晴れ。この日もスクールとコマ図ツーリングがメインだったが、昼前にはなんとかゲレンデの状態が回復したとのことで、中級コースであるダイアモンドスキー場が開いた。先導を務める歴代のトロフィーライダーに連なって多くの参加者が待望のゲレンデ走行へ。しかしゲレンデは滑りやすく、中には転倒するライダーも。しかしそこはGS仲間のお約束で、皆でバイクを起こし窮地を脱する。そう、GS乗りは状況が厳しければ厳しいほど、その絆が深くなり、より人生が豊かになっていくのである。