BMWBIKES vol.99 掲載記事
Text / Tsutomu Matsui
Photo / METZELER
問い合わせ / ピレリジャパン(株)
www.metzeler.com/ja-jp/home
松井 勉が海外で徹底テスト
10シーズン目の大幅進化
METZELER
KAROO4&TOURANCE Next2
ツアランスネクスト2も発見が多かった。ホテルを出て5㎞ほどで給油をした。ふと後輪に触れるとトレッド全体がすでに暖まっている。晩秋の朝、太陽も高くない。
これはリアのセンタートレッド部にあるハードコンパウンドをサイドにあるソフトコンパウンドの下に潜りこませた構造や、雨にも低温にも強いコンパウンドの恩恵で、新品タイヤながらすでに正常運転、という印象をライダーに伝えてくる。
この日は舗装路のみ。ウインザー郊外に出ると、このページの写真のような地形の表面をなぞるような舗装路が続き、さらにカーブが連続する道が多い。
アップライトなライディングポジションのGSなら見通しは悪くはないが、曲がった先の路面状況やカーブの行方が掴み難いのは確か。
しかも寝かし込みの瞬間に上りが下りに入れ替わり、サスペンションが伸びるような場面ではタイヤのグリップ力と旋回性の変化が少ないほうが安心だ。なにせ、ペースが速い。
こんな過渡的な場面でもツアランスネクスト2はそつなくこなし、じんわりと通過してくれるので、結果としてライダーにゆとりが生まれる。
ハーフウエットも体験した。メッツラーが解説した通りの性能で、濡れた路面からドライ、そしてまた濡れた路面というパッチワークを通過しても、信頼感が醸成されてゆく。
本格的なワインディングでも印象は同じで、ライダーはコントロールに没頭できる。ペースを上げても減速から旋回、脱出加速までの一連の動作で、狙ったラインに乗せやすく、グリップ力にも余裕がある。
ツアランスネクスト2の限界は相当高い。しかもライディングモードをダイナミックにしても、タイヤの反応が急に尖るようなこともない。
ノイズに関しても気になる部分はなく、今回オーストラリアで体験した舗装路ツーリングでいうなら、ツアランスネクスト2が持つメッツラーらしい大きな包容力に魅力を感じた。まさにGSセグメントが求める全てを持っている、と言える。
この日のテストルートにはワインディングが多く用意されていた。地面の起伏に合わせカーブの途中でアップダウンが入れ変わる場面が多い。そんな場面を深いバンク角で通過してもグリップ感が変わらず安心して楽しめたほか、ハーフウエットでも実力を確認できた。
METZELER
TOURANCE Next2
センター部分から外側に溝の太さや形状を変えながらπ形状のトレッドを受け継ぐのが特徴。フロントは静粛性向上のために4種類の異なるピッチを与えるなど新しい時代の静粛性、グリップ、そして耐久性向上など持てる技術がしっかり注がれたツアランスネクスト2。
FRONT
100/90-19 M/C 57V TL
110/80 R 19 M/C 59V TL
120/70 R 19 M/C 60V TL
120/70 ZR 19 M/C 60W TL
90/90-21 M/C 54V TL
REAR
130/80 R 17 M/C 65V TL
140/80 R 17 M/C 69V TL
150/70 R 17 M/C 69V TL
170/60 R 17 M/C 72V TL
170/60 ZR 17 M/C 72W TL
150/70 R 18 M/C 70V TL