BMWBIKES vol.99 掲載記事
開催日:2022年6月5日(日)
開催場所:群馬県嬬恋村
「浅間火山レース跡地」
Text / BMWBIKES
Photo / Akira Kurita、BMWBIKES
初心者からベテランまで
GSで遊び尽くす一日!
歴史ある浅間火山レース跡地をまる1日
GSで思いっきり遊べるのがこのイベント。
たとえ初心者が転倒しても
すぐに仲間が助けてくれるのでGS仲間が増え
どんどんオフにのめり込む。
イベントのレポートと
このイベントで人生が豊かになった
ライダーに話を聞いた。
魅力なコンテンツ満載のGSファンライドだが、オフロード初心者の目からはどう映っているのか。一昨年にF850GSを購入して以来、オフロードの楽しさに目覚めたという坂下浩章さんに話をうかがってみた。
「私は16歳からずっとバイクに乗ってきました。トップガンに憧れてGPZ900Rから大型人生が始まり、CB1000、V-MAX、ハヤブサなど20代、30代で国産メーカーのビッグバイクに乗っていました。やがて、モトグッチのV11というネイキッドモデルに乗りまして外車に目覚め、当時空冷の1200GSに乗ったらすごく良くて、そこからBMWの人生が始まりました。S1000XRには2台乗り継ぎ、モトラッド世田谷にお世話になりつつオンロードのレースにのめりこんだりもしましたね。R1250GS、R nineTなどを乗り継ぎ、今はS1000RRとF850GSの2台体制でBMライフを楽しんでいます」
「サーキットでのオンロードレースも楽しいんですが、オフロードだともう少しゆったり楽しめるんではないかということもあって最近はオフロード走行にも目覚めました。サーキットでのレースだと決まったラインをいかに走るか、が求められますが、オフは自分の技量とペースで道を選べる、その自由な感じがいいんですよね」
「オフを楽しむのに、最初は1250GSも考えたんですが友人のアドバイスでF850GSにしたんです。やはり車体が軽くてすごく楽しいし、取り回しやすいですよね。最近は林道ツーリングにもはまってますし、今日のこのコースも最高に楽しいですね。一人ではあんなアドベンチャーコースに入ろうと思わないけど、転倒しても前後のライダーやスタッフが助けてくれるので、安心感がまったく違います。ですからこういったイベントは本当にありがたいです。ぜひ継続的に続けていっていただきたいですね」
この日、坂下さんは、本誌でもおなじみ松井 勉氏がインストラクターを務める初心者向けスクールで基礎を学び、続いて外周をスローペースで周回。外周路はかつてないほど乾燥した硬い路面だったので、非常に走りやすかったそうだ。
その後仲間とカレーランチを楽しみ、午後からはアドベンチャーコースにも挑戦。アドベンチャーコースは、やや湿った黒土や赤土が露呈する滑りやすい森の中を抜けるシーンが多く、ルートもタイヤ1本分しかないようなシングルトラックだ。そんなシーンでも太い低速トルクと軽快なハンドリングのF850GSなら意外と余裕で走れたそうだ。
そして坂下さんはプログラムのラストを飾る「スキルチャレンジ」にも参加。これはおよそ300mほどの決められたコースを、左右のマーカーに触れず、何秒でゴールできるかという模擬競技。マーカーに触れたり、コースを間違えたり、途中で足を着くと減点対象となる。
坂下さんは15名ほどの参加者がいる中でも卒なくコースを走り終え、見事3位に入賞。良い思い出ができたとホクホクの笑顔が印象的だった。
せっかくGSに乗っているのにオフロードの楽しさを知らないのは本当にもったいない。それでも転倒率が高いオフロードは怖いと感じている初心者ライダーは、まずはこんな誰もが楽しめるイベントから参加してみるのがいいだろう。
オフロードに最近目覚めた
GSオーナーさんに聞く
16歳で免許を取得してから60歳までずっと乗り続けてきた生粋のバイク乗り。15年ほど前にBMWの良さに気づき、そのままどっぷり。S1000RRでワインディングを走り、F850GSでオフを楽しむ理想のビーマーライフを送っている。
インストラクターを務めたモーターサイクルジャーナリストの松井氏は、BMW公認のオフロードインストラクターでもある。アクセルとクラッチワーク、ボディアクション、加速と減速など、その解説は明快で簡潔。習ったことをその場で実践できるのがまた楽しい。
モトラッド世田谷のテントでGS仲間の坂本さんとランチは楽しむ坂下さん。この日のメニューはケータリングによるカレーランチでスパイシーな味わいが好評だった。
スキルチャレンジのコースを慎重に走る坂下さん。初心者と言いつつもバイク経験が豊富なだけあり、しっかりしたバランス感覚と体幹でクリーンな走りを披露した。
スキルチャレンジはなんと一緒に参加した坂本さんが優勝。ゴールドウインからゴアテックスのレインウエアが贈呈された。彼女はGSトロフィーの国内予選・女子部門においてトップ5名のファイナリストに残る腕の持ち主だ。
走りやすい周回コースから外れ、アドベンチャートレッキングコースに入るといっきに難易度が上がる。しかし転倒したとしてもすぐに助けがくるから安心できるのがこのイベントのいいところ。それだけにいつもより少し挑戦したい気分になると坂下さんは語った。