BMWBIKES vol.96 掲載記事
Text / Tadashi Khono
Photo / BMW Motorrad
BMWBIKES
NEWMODEL IMPRESSION
海外試乗レポート
理由は簡単だ。R18Bには、時を同じくして発表されたR18トランスコンチネンタルも同様に、専用に開発されたフレームとフロント周りのアライメント、そして厳選された電子制御デバイスを搭載しているからだ。
なによりもフレームが効いている。先に発売したR18のスチール鋼管を使用したフレームをベースにしながら、フレーム上部を通るメイン部材をパイプから鋼鈑板金材に変更し、またステアリングヘッドを車体前方に伸ばし、かつステアリングヘッドアングルを立てたことが大きい。
フロントフォークにマウントしたカウルが走行風を受けても車体がそれをしっかりと受け止め、ハンドリングへの影響を最小限にとどめている。
また進行方向に対し、ステアリングヘッドの後方にフロントフォークを配置するネガティブオフセットも採用。これにより軽快なハンドリングを維持しながらも、高い直進安定性も確保されている。
またR18Bを特別な存在にしているのはACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)だろう。自ら設定した前車との車間距離や、最高速度を維持するために加速と減速を自動的に行なう先進の運転支援システムであることは、先に搭載されたR1250RTのレポートなどでご存じだろう。
しかしその使用フィールドは、高速道路に留まらず、郊外やワインディングにも広がっている。
こう書くと、ライダーの出番がない、退屈な乗り物のように聞こえてしまうかもしれないが、それは違う。これはライダーとシステムの新しい関係構築を求める最新のバイクだ。そしてその新しい関係が、新しいバイクの世界の入口なのである。
「BMW R18B③」へ続く