BMWBIKES vol.93 掲載記事
Text / BMWBIKES編集部
Photo / Kaku Hirashima
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近年流行のアドベンチャー系タイヤだが、その開発はかなり難しいだろう。ロード寄りに振ればオフロードで辛いし、逆もまたしかり。そのバランスをどう取るかが課題となるわけだが、そんな中でもオフ系GSライダーから絶大な人気を誇るのがこのカルー3だ。
カルー3が登場したのは2013年と、もう8年も前のことになり、こういったアドベン系タイヤの中では古株的な存在だ。しかし8年間モデルチェンジしていないのは、逆に言えばそれだけ改良点がなく、ユーザーに不満がないということの裏付けでもある。
ただ、アナウンスされていないだけで細部については段階的に改良されている。以前カルー3を履いたGSで高速道路を走った際は「ヒャー」という高音域のロードノイズを感じたわけだが、今回改めて乗ってみると、そのノイズは、まったく消えたわけではないものの、低い重低音に変っていた。それだけで高速走行はかなり楽だ。
低中速を多用する街中や、ワインディングでもあまりブロックのゴツゴツ感を感じることはなく快適な印象。林道などのダートに関しては言わずもがな。GSトロフィーという過酷な冒険イベントのオフィシャルタイヤに選ばれ、世界中のトロフィーライダーが信頼し、その実力を証明しているのだからここで説明する必要もないだろう。
逆にレベルを下げて考えると、例えばツーリング先で砂利の駐車場に止めるのが怖いとか、未舗装のキャンプ場の奥へ安心して入って行ければ……といった初心者こそ、このカルー3を選べば、安心、安全というわけである。
砂利道、岩、土、泥、水たまりと刻々と状況が変わる林道でもしっかりしたグリップ感を発揮してくれ、ブロック間の排泥性も良好。また電子制御との相性もいい。
秋から冬にかけ、舗装路の脇に溜まった濡れ落ち葉は、もっとも滑りやすい路面状況だが、カルー3をはいて無理せず行けば、難なく通過可能だ。
面白いのは進行方向がフロントは「ハ」、リアは「V」というパターン。センターブロックが大きめなのでバイクと未舗装走行率にもよるがライフは5000km~8000kmぐらいと予想。
FRONT
110/80-19 M/C 59R M+S TL
120/70 R 19 M/C 60T M+S TL
90/90-21 M/C 54R M+S TL
REAR
130/80-17 M/C 65R M+S TL
140/80-17 M/C 69R M+S TL
150/70-17 M/C 69R M+S TL
170/60 R 17 M/C 72T M+S TL
140/80-18 M/C 70R M+S TL
150/70-18 M/C 70R M+S TL