BMWBIKES vol.93 掲載記事
Text / NobukiSakurai
Photo / MICHELIN JAPAN
昨年春に登場し、BMWのロードスポーツモデルにジャストマッチと話題のミシュラン・パワー5。このタイヤの一番の魅力は、ツーリング性能とスポーツ性能を高い次元で両立していること。高速道路ではタイヤの軽さとしなりでライダーの疲労を軽減し、訪れた先のワインディングでは、タイヤの性能に寄与したグリップ感で、しっかりとスポーティーな走りが楽しめるということだ。
しかし、このタイヤの魅力はそれだけではない。上の写真はクローズされたテストコースで、R1250RSにパワー5を装着しての試走だったが、とにかくそのウエット性能の高さに驚かされた。
テストした内容は、加速区間で50~60㎞/hまで加速し、パイロンを通過後急制動で一気に減速するというもの。正直、最初の2、3回は躊躇してブレーキングに甘さが出てしまい停止距離は長めだった。しかし3回、4回と続けていくうちに「ABSを効かせてやろう」という意識が生まれ、かなりのハードブレーキングを試みた。
がしかし、なんと1度もABSは作動することなく、それでいてバイクは安定して指定された距離内で止まったのだ。ビショビショに濡れた路面でのスラロームも同様。40㎞/hほどで、左右に車体を傾けていってもタイヤが破綻すような感じが一切ない。
もちろん雨天時のツーリングでは、マージンを取ったうえで走行しなくてはいけないが、それでもこのウエット時の絶大なるグリップ感は、ライダーに大きな安心感を生み、かなりのアドバンテージとなってくれるだろう。
こちらはかなり濡れた路面でのスラローム。速度は40km/hほど。右に左にと車体を倒していくが、フロントが滑るような気配は微塵も感じない。
パワー5の注目点はこのショルダー部。これまでにないパターンに加え、スクエア状の浅溝パターンにより、一目でパワー5を認識できる。さらにショルダーの端にはゴルフボールデザインと呼ばれるディンプル加工が施されている。サイドウォールもベルベッドのような独自の手触り。
FRONT
120/70 ZR17 (58W)
REAR
160/60 ZR17 (69W)
180/55 ZR17 (73W)
190/50 ZR17 (73W)
190/55 ZR17 (75W)
200/55 ZR17 (78W)