Text & Photo / Akira Kurita
取材協力 / ワールドインポートツールズ
☎︎ 045-949-2451
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「ステイホームを楽しむ」
歴史と伝統のあるBMWに負けず劣らず
一世紀を超える老舗メーカーが
いくつもあるのがドイツの工具業界。
ひとりでバイクいじりに
没頭するのに最適な今こそ
ドイツブランドのハンドツールを
手に取ってみたい。
バイクや自動車と同様に、工具にも「ドイツ製=高品質」というイメージは広く共有されている。
高性能な乗り物や工業製品を開発製造するには、優れた設計や生産技術はもちろん、資源が不可欠である。ドイツ製工具に共通するのは軽くて硬く、粘りのある工具鋼を用いている点。
13世紀には石炭採掘と鉄鋼による工業化が進み、1800年代には現在に続く工具メーカーがいくつも誕生しているが、それも資源があるからこそ。そのブランドを継承して進化を続けることで、現在もなお工具シーンを牽引し続けているのは驚異的だ。
バイクいじりを実践しているオーナーはもちろんだが、メカやメンテはちょっと苦手というBMWオーナーも、ドイツのハンドツールを通じてMADE in GERMANYの血脈を感じて欲しい。
現行BMWに多用されているヘックスローブボルトは、ネジ頭の穴が6個の頂点を持つ星型なのが特長。ヘキサゴンレンチで回すヘックスボルト(六角穴付きボルト)はレンチとボルトが六角の頂点の点接触になるのに対して、ヘックスローブは両者が面で接するのでトルクが確実に伝達でき、ボルトを傷めづらいのが特長。
これを回すには専用の六角星型のレンチやビットが必要で、サイズはT●と表記され、インチとミリのような区別は存在しない。
「ヘックスローブ」より「トルクス」の方が通じやすいが、トルクスはこの規格を開発したメーカーの登録商標。外から見えるボルトはほぼ100%トルクスなので、トルクスレンチがなければメンテが始まらない。レンチやビットのT●に対して、ソケットやめがねレンチはE●と表記される。
「素敵な工具で愛車をいたわる②」へ続く