東京都板橋区で「デカプラス」というステッカーとデカールの会社を営む柳井さんご夫妻。GS系イベントのゼッケンステッカーやオリジナルグッズの製作も担当するなど、この業界では有名なご夫婦だ。そんなお二人のビーマーライフとは?
Text / BMWBIKES Photo / Atsushi Sekino
BMWBIKES vol.104 掲載記事
旦那さんの仁志さんはかつてマルボロカラーの1250アドベンチャーに乗っており、イベントなどでその完成度の高さに驚いた方も多いだろう。その自作グラフィックこそが、柳井さんが営むデカプラスで製作したものだ。
デカプラスでは、BMW Motorradディーラーのオリジナルグッズから、商業施設の案内板など、幅広い事業を請け負っている。
板橋区の荒川の土手にほど近い、住宅や工場が並ぶ一角にデカプラスはある。扉を開けると、どーもどーもと、いつものくったくのない笑顔で柳井さん夫妻が迎えてくれた。社内にはパソコンがある事務スペースと、巨大なプリンターやカッティングマシーンなどの重機械が並ぶ。ここで日々様々なステッカーやデカールが作られているのだ。
本誌●そもそもバイクに乗り始めたきっかけはどんなものですか?
仁志●16歳で原付の免許を取れるようになったら、すぐに取って、半年後には中型免許を取得しましたね。いわゆる昭和の高校生ですよ。やがて大型も取得してしばらく国産のバイクが続きました」
愛●私が免許を取ったのは19歳で、夫と知り合ってからですね。
本誌●BMWに乗り始めたのは?
仁志●ちょうどGSが水冷になる2013年ですね。まだ腕前がなくて、林道に落っことしちゃいましてね(笑)しばらくそれで懲りて、GSを一度売り、軽量車で林道楽しんだり、エンデューロに出たりという生活が続きました。で、今度は長い旅用にRTを買おうと思ってMSCハラに行ったんですが、それがどうしてか、R1200GSアドベンチャーになってしまったんですよね(笑)そこから、どんどんオフロードの仲間ができてきて、皆で林道に行くようになってからはこの世界にずっぽり。赤白のマルボロカラーにして楽しんでました。
本誌●あれ? たしか1250GSアドベンチャーもありましたよね?
仁志●そうなんです、2019年のGSトロフィーの選考会を目指した時は1250に乗り換えて、マルボロカラーは赤白と青白も作ったんです。
本誌●奥様のバイクライフは?
愛●私は最初国産の400ccに乗っていたんですが、出産と子育てがあったので、13年ぐらいは乗っていなくて、少し子育てが楽になったことから大型免許を取ってビッグスクーターに乗ってました。ちょうどG310GSが出たころで、いいなと思って買い替え。私のビーマーライフはそこからです。
本誌●今は1250GSですよね?
愛●2年前の2020年に志賀高原で、GSトロフィーの選考会が開催されましたよね。その時に、女性ライダーが1250GSで果敢にアタックしている姿を見て、わぁなんて素敵な女性なんだって感動したんですよ。その時、私はちょうどカブで行ったんですが、女性ライダー達のGSに挟まれたカブがとっても小さくて。選手の皆さんからは「背が高いのに、どうしてGSに乗らないの?」と言われまして。ちょうど310GSが車検のタイミングでMSCハラに預けたら、そこにちょうどよく1250GSがありまして買って……しまいました(笑)
本誌●仁志さんは1250GSからなぜ今のアーバンに?
仁志●僕は、空冷のフラットツインに乗ったことがなかったんですよ。あの独特の猛々しいサウンドがかっこよくて。右見ても左見ても水冷のGSしかいない世界で、俺はアーバンでいいんじゃないかなって。さすがにサスペンションストロークが短すぎるので、テクニクスのサスペンションに変えて、ハンドルの位置とかもポジションで合わせたら、ぜんぜんオフロードも行けるようになりました。10月のラリー東北の長い林道でも楽しく走れましたよ。2回パンクしたけど(笑)いずれラリーのSSで、1300GSをアーバンG/Sが追い越したら、それは爽快じゃないっすか!
本誌●デカプラスはいつから始まったのですか?
仁志●2008年からですね。今はツアラテックのオリジナルグラフィックや、イベントのゼッケン関係、あとはMSCハラのオリジナルグッズとか、モトーレンさいたまグループのオリジナルグッズ、あとはGSトロフィー系のグラフィックやステッカー、ラッピングなんかも手がけてますね。ある程度任せてもらえればデザインもこちらでやります。バイクに施工すると、がらっとイメージが変って楽しいんですが、貼るのはかなり難しいので、僕が出張して施工したりもします。皆さんもぜひご相談ください(笑)
イベントなどでお会いすると柳井さんはいつもニコニコ笑顔で、笑いが絶えない。しかしその仕事のクオリティは非常に高く、GSトロフィーの国内予選では決勝に進むほどのライディングスキルも持っている。でもそれを微塵も感じさせることなく、周囲を笑わせるところに、男としての深い懐と魅力があると思った取材だった。
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