HOWTO

ハウツー

Nostalgic Camp With R50/1.②

BMWBIKES vol.98 掲載記事

Text / BMWBIKES
Photo / Yuuka Nishibe、BMWBIKES

Nostalgic Camp
With R50/1.

R50/1で行く、こだわりの野宿

1960年式のR50/1で
日本中を旅する男がいる。

そのいで立ちから
所有する道具まで
すべてにこだわりを持った
彼のキャンプに同行させてもらった。

望月リョウ

多趣味の自称旧車冒険家。
年越し宗谷岬を始め旧車で日本中を旅している。

愛車は1960BMW R50/1
1962HONDASuperCub c100
1966Lambretta SX200
1997YAMAHA Bronco。

元服飾関係のファッション好き。

インスタグラム:r50_1960

焚火に火が入るとサイトは
異国情緒に包まれた

 小ぢんまりとした多摩川沿いにある「奥秋テント村」にチェックイン。彼が荷物を解く。まずは自分で仕立てた青とオレンジの綿のタープを張り、その下に英国製リッチフィールドのテントを張る。

 エンデュリスタンのバッグからは次々とビンテージのランタンやストーブ、コットなどの道具が出てくる。そのどれもが傷や汚れ、凹みがあるが、磨かれ愛情を注がれているのが分かる。

 驚くべきはご自分で縫製したというチェアのシートや足を乗せるオット、コットの張り布など、どれも市販レベルにあるほど完成度が高いということ。元服飾関係にいただけあり、その技術は職人レベルだ。

 やがて夕暮れが訪れランタンと焚火台に火が入ると、そこはもう日本ではない、どこか異国情緒に溢れた雰囲気に包まれるのだった。

「キャンプで、こういった古いギアや、自分で作ったものを使うのが僕の喜びなんですよね。キャンプサイトを完成させ、焚火とR50を眺めながら、お気に入りのギアに囲まれている時間が本当に幸せなんです」

「手垢や、汚れ、凹み、傷
そのひとつひとつさえも
なんだか愛おしいんですよね」

右の青いタンクが「JUWEL34」。JUWEL34は、東ドイツが軍用として生産したストーブで、WWⅡ以降に出回ったモデル。日本国内では未発売のはず。左は有名なオプティマス「8R」。1940年代後半から2000年代まで作られ続けたスウェーデンの名ストーブ。写真のモデルはおそらく1960年代あたりのモデルと予想できる。
コーヒーメーカーは、有名なケメックスをイメージし作成。本家はガラス製だが持ち運びに容易な樹脂製のコールマンを使用。なお持ち手は木製カバーから革カバー変更している。
コーヒーミルはペーターディーネス社製。旧西ドイツの真鍮製で、1950‐1955年に製造されたもの。重厚で、真鍮の質感がたまらない。
望月さんが首に巻いていたのはなんと本誌のオリジナルバンダナ。おそらく1990年代の物だ。ありがたい。

チェアはA-LITE社のメイフライチェア。純正のシート生地を外し、グレーのツィード生地を使ってオリジナルを作製。折りたたみいすのシートも同生地で張り替え、オットとして使うと、もう立ち上がれないほどリラックスできる。

ランタンはどちらもイートーマス&ウィリアムズ社のもの。下部のタンクにオイルを入れてウィック(芯)に火を灯す。燃料は灯油かパラフィンオイルだ。カンブリアンランタンとも呼ばれる。

薪を小さく割る手斧は、スウェーデンの名門「グレンスフォシュブルークス」社製。刃が薄いのが特徴で、非常に鋭利。うまくなるとナイフのように使うこともできる。
焚火台は「UCO」というブランドのフラットグリル。薄く折りたため、収納性抜群。大きめの薪も載せられ燃焼効率もいい。
無名のコットだが、かなりのビンテージもの。布地はもちろん望月さんの縫製品。帆布製(茂木商工)なので、焚火の近くに横たり火の粉が飛んでも溶けて穴が開く心配はない。

「作って、使って、馴染んでいく
自分の歴史を刻んだ道具に囲まれ
過ごす時間がすごく幸せなんです」

なんでも壊れたらアッセンブリー交換や使い捨ての時代に、こういったシンプルで壊れにくく、たとえ壊れたとしても直せば、また長く使えるものこそ、エコなのではないだろうか。長く使えば愛着も湧くし、壊れやすい部分も把握できるようになる。そういった愛着ある物に囲まれるキャンプの時間は本当に幸せなことである。

SNSでフォローする