Text / Eri Ito
Photo / Jun Goto、ピレリジャパン、Eri Ito
Special thanks / ピレリジャパン
BMW Motorrad世田谷店
レース経験豊富なライダー2人と
昨年からレース参戦をスタートさせた
ライダー2人という4人で挑んだ
2021年のもて耐。
各々もて耐に向けて準備を進め
2年目のチャレンジに意欲を燃やした。
4人のライダーで7時間を走る決勝レースを
果たして完走できたのか?
最後に私たちが浮かべた表情とは……。
今年のもて耐は8月21日に予選、22日に決勝レースというスケジュール。予選ではゆきさんと坪井さんが出走し、坪井さんは自己ベストを叩き出した。二人の合算タイムにより、70番グリッドから決勝レースに挑むことになった。
決勝日の朝は前日夜に降った雨により、路面はやや濡れた状態。しかし、レース序盤にはコースに陽が射し始め、気温、路面温度ともに上昇していった。スタートライダーを務めたのは坪井さん。いつも明るくチームの雰囲気を盛り立てる坪井さんが、スタート前に緊張感を漂わせる。
長くレース参戦を続けてきた坪井さんであっても、もて耐のスタートは重圧がのしかかるのだろうか。そう思って「緊張してる?」と聞けば「ん~、わからない」との答え。けれど「冷静に走るよ」と言うから、やっぱり頼もしい。坪井さんはその言葉通り、最初の20分間を堅実に走り、第2ライダーのゆきさんへと繋いだ。
スタートから1時間後、ゆきさんがピットインして、ついに私の最初の走行順を迎える。数カ月前から、どんな気持ちでもて耐を迎えるのだろうと何度も想像していた。冷静に、と自分に言い聞かせてコースイン。不思議なもので、ずっと感じていた迷いはコースに出たときに消えていた。
ミスも多かったし、たくさんのライダーに抜かれた。けれど不意に、「今、自分はレースをしている」、そんな実感がぶわっと頭の後ろからやってくる。「やっともて耐に“参戦”できた」と。
ここでは私たちBMWBIKES&Frau MSがもて耐までに歩んだ道のりをご紹介。当日までの期間はそれなりに長く、そろえるものや準備のためにやることも多い。けれど、そんな時間も含めてもて耐の楽しさなのだ。
もて耐に参戦するにはMFJの国内ライセンス(3時間耐久の場合はフレッシュマンライセンスでも参戦可)と、もてぎのサーキットライセンスTRMC-Sが必要となる。もてぎではもて耐参加者に向け、この二つが1日で取得できる講習会「1day GET MFJライセンス」を実施。私は昨年、ここでライセンスをゲットした。
もて耐の決勝レースに向けてひたすら練習あるのみ! もてぎで開催されるもてぎロードレース選手権などに参戦したり、サーキットで行われるライディングスクールに参加したりしてスキルアップを図り、走行経験を重ねていった。
もて耐では参加者向けに複数回の公開練習が設けられている(今年は3回)。公開練習では初参加者向けに「初心者講習会」も併催され、初参加者に配慮されている。公開練習は、仕事や日常に忙しい日々を送るメンバーが集まる貴重な場。ゆきさんや坪井さんはこの公開練習でバイクを詰めていった。
迎えたもて耐当日。8月21日土曜日に予選、22日日曜日に決勝レースが行なわれた。果たしてBMWBIKES&Frau MSは完走できたのか……!?
ピレリ ディアブロ・スーパーコルサ SC V3
「これまでいろいろなメーカーのタイヤを装着してサーキットを走ってきましたが、ピレリのディアブロ・スーパーコルサ SCは硬さが気持ちいいです。私はアクセルワークがやや荒いのですが、このタイヤで滑ったことがありません。とても安心で信頼できるタイヤなので、もて耐に挑むにあたり、ピレリのディアブロ・スーパーコルサ SC以外は考えられませんでした」(坪井千春)
「女子チームならではの軽い体重や走り方を考えて、特にタイヤの空気圧を細かくテストして最適解を求めるようにしてみました。その結果、いわゆる『タイヤをつぶす』感覚の走りを初めて体感することができました」(小林ゆき)
「今回もて耐で履いたディアブロ・スーパーコルサ SCは路面にタイヤが食いついてくる感がすごいです。アクセルワークが荒い私でも全然怖くありませんでした。魔法のタイヤです」(坪井千春)
「“もて耐”への挑戦③」へ続く