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INTERNATIONAL GSTROPHY 1次選考会

BMWBIKES vol.87 掲載記事

Text & Photo / BMWBIKES編集部
日時 / 2019年6月16日
開催地 / Enduro Park Japan

新舞台で激闘の連続!

インターナショナル
GSトロフィー 1次選考会

in ENDURO PARK JAPAN

日本初オープンの
EDパークで開催

 世界中から選ばれたGS乗りが、あらゆる競技を戦い「GS乗り世界一」を決める競技会、それが「インターナショナルGSトロフィー」である。

 2008年に第1回(北アフリカ/チュニジア)大会が行なわれてから2年おきに開催され、ライディングテクニックはもちろんナビゲーション、メカニック、問題解決能力、チームワークなど様々なスキルが求められる。

 そのため各国では代表者を決めるための、非常に厳しい選考会が繰り広げられている。

 前回は昨年のモンゴル大会で、次回は舞台を初のオセアニアに移し、自然豊かなニュージーランドで来年開催されることがすでに決定している。

 そんなインターナショナルGSトロフィーへの日本代表となる一次選考会が、6月16日奈良県生駒市にあるエンデューロパークジャパンで開催された。

 季節はちょうど梅雨。前日から豪雨と晴れ間が頻繁に入れ替わる天候不順が続き、運営スタッフは心配を隠せない模様だったが、当日は基本的に曇り空。そんな中、続々と参加者のGSが集まりだした。

前日は豪雨、当日も曇り時々雨
刻々と変わる天候と路面状況が
過酷さに拍車をかける

一般参加者に初めてお披露目されたエンデューロパークジャパンの全景。広大な敷地ではないがあらゆるセクションがきっちり行なえるスペースだ。
各セクションはこのように英語で解説される。
専用グラフィックが施されたF850GS。来年のインターナショナルGSトロフィーで使用される車両だ。
午前の部
午後の部

今回の第1次選考会は、日本全国から35名のGS乗りが集結。この中から男性10名が2次予選へ。女性2名は世界予選会へと進む。選考会といえども緊張する舞台でいかに日頃のスキルを発揮できるか、冷静になれるかが、選考会突破のカギとなる。

エンデューロパーク
ジャパンとは?

エンデューロパークとはBMWの車両がオフロードトレーニングを適切に行なえる専用コースのこと。各国に1カ所しか認可されず、このたびそれが奈良県生駒市の山中に正式に開設された。今後は専用のオフロードトレーニングで随時使用される予定。詳しい内容やスケジュールは、webサイトにて。
www.bmw-mcj.org

開会式であいさつするのは本誌「BMWBIKES」の発行人であり、BMCJの並河勝典会長。このエンデューロパークジャパンを運営するのは、BMW MOTORRAD CLUB JAPANとなる。

斜度40度の激坂アタック!

斜度40度という急な斜面を一気に駆け上がるヒルクライムは、全競技の中でももっとも盛り上がるセクション。斜面は人間が立っていられないほど急で、下から見るとまさに壁。挑戦者は、まずその恐怖心を克服しなくてはならない。

普段、簡単にできることが
できないハイプレッシャー

 エンデューロパークにずらりとGSが並ぶと、実に壮観だ。どの選手もこれから始まる競技会に目を爛々と輝かせている。今回、この選考会に参加する猛者は35名。午前と午後にわけて半数ずつ競技に挑む。そして設置されたセクションは全部で10項目。

 斜度40度のヒルクライムから始まり、Uターン、1本橋、3秒停止、スラロームなど基本的なライディングスキルを求められるものばかりだ。どのセクションも一見簡単そうに見えるがまさに「見るは易し、行なうは難し」。緊張も伴ってか、普段なら楽にできそうなこともできなくなるのが、こういった競技の難しさだ。

最終セクションは水中走行。20mほどの距離を17秒以上かけて遅乗りしなくてはいけない。水深はおよそ40cmほど。中に入るとフラットツインから盛大な水蒸気が上がり、観客も間近に寄れることからじつに盛り上がった競技だ。

ベーシックスキルと大胆さ
総合力が試される連続

今回面白かった競技がこの二つ。上はスタート後、ギアを1速上げてそこからリアタイヤをロックさせる。停まった場所でサイドスタンドを出して、それが白線に囲まれた中に入れば減点なし、というもの。下は片手でバイクを保持して周りを1周するという競技。いかに垂直に保つかが勝負だ。

男子1次選考ファイナリスト
はこの10名に決定!!

2次選考は9月の白馬
この中から3名が決まる!

これが選考会に残った12名の猛者。一番右が見事1位を獲得した君島さん。左へ2位、3位と続く。さぁ、白馬では誰が残るのか。左端の女性、水谷さんと吉田さんは国内選考突破で、次はスペインの女性限定世界予選に進出する。

日本代表選考会ファイナリスト

順位番号名前車種
133君島 真一R 1200GS Adv
211壁村 一志R 1200GS
326澤田 英樹R 1200GS
429舟橋 理人R 1200GS Adv
538椿 裕之R 1200GS Adv
68柳井 仁志R 1200GS Adv
714吉澤 龍治F 800GS
87寺尾 義明R 1100GS
930田原迫 力哉R 1200GS
1037上田 直F 800GS

女性国際チーム選考会日本代表(確定)

順位番号名前車種
140水谷 あいR 1200GS
235吉田 美恵子R 1200GS

BMW MOTORRAD INTERNATIONAL GS TROPHY 2020最終選考

■開催地:BMW MOTORRAD DAYS JAPAN 2019
■日時:2019年9月7日、8日

女性はスペインへ
男性は白馬で3名に!

 競技は基本的に英語で説明される。なぜなら実際のインターナショナルGSトロフィーが英語で進行するからだ。また競技方式は減点制で、減点が少なかった者が勝者となる。

 時おり小雨がパラついたり、大きな転倒シーンもあったが、午後3時には無事にすべての競技が終了。緊張の発表式では35名の中から、男性10名、女性2名の計12名が選出され、拍手喝采を浴びた。

 女性はそのままスペインで行なわれる女子のみの世界予選へ進出し、男性10名は9月7日、8日に長野県白馬村で開催されるBMWモトラッドデイズジャパン2019にて最終選考を戦い、3名が決まるので今から楽しみだ。

前日の雨でぬかるんでいる場所も多数あり、転倒者が続出。しかしそこはGS乗り。バイクもライダーもプロテクションが完璧だからケガ人は皆無。

緊張の結果発表。名前が呼ばれるたびに歓喜の声と拍手が飛び交かう。まさに悲喜こもごもの瞬間。見事選考を勝ち抜いたファイナリスト達には、BMWジャパン代表のリー・ニコルス氏より入賞の盾と目録が送られた。

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