BMWBIKES vol.91 掲載記事
Text & Photo / BMWBIKES編集部
アールズギア
三重県亀山市のぼの62-9
TEL:0120-737-818
www.rsgear.co.jp/brand/bmw
三重県亀山市に巨大な自社工場を持つアールズギア。
レーシーで美しいマフラーの魅力と実力は?
編集長のGSでロングランテストしてみた。
アールズギアはBMWのマフラーを作っている数少ない国内メーカーだ。ブルーに焼けたチタンマフラーは実に美しく、もはや芸術品ともいえる仕上がりである。
そしてアールズギア代表の樋渡氏と言えば、言わずと知れた元GPライダー。’84年には鈴鹿8耐で日本人最高の4位を獲得し、’88年にはWGPと全日本GP500にRGV-γで参戦し、全日本初優勝をもたらすなど、偉業を成し遂げたライダーだ。そんな元レーサーの作るマフラーなのだから、かなりレーシーな味付けなのではないかと、当初は勘ぐっていたのだが……。
樋渡「ここ数年はもうずっと自分のBMWで旅するツーリングライダーですよ。だから僕の作るマフラーはとにかく低中速を太らせるものばかり。レースではピークパワーさえ上がればいいというライダーも多いけど、実際に低中速を上げると、そっちのほうがいいタイムが出るんですよ。それが一般のライダーならなおさらのこと。もともとBMWは長距離を走っても疲れないですが、それが弊社のマフラーを着けるとさらに疲れなくなる。エコという考え方からみても低中速があったほうが燃費も良くなり、いいことばかりです」
そのお話はちょっと意外なものだった。で、実際に今回は私の個人車両であるR1250GS-HPにリアルスペックマフラーを装着していただいた。
換装当日はいきなりの雨、しかも鈴鹿から東京まで400kmの高速移動だ。まず高速で感じたのは4000回転から上の排気音の太さだ。ノーマルよりずっと気持ちいい感じ。低中速の恩恵を感じたのは翌週に北海道のロングダートを走った際だ。低速の切り返しが激しいコーナーでも、ほんのちょっとだけアクセルを開けていれば、車体が安定し、駐車場でのUターンなども楽になったのが素直な印象だ。
現在合法で、BMWのフラットツインにおけるフルエキゾーストを作っているのはアールズギアだけ。効果的な軽量化、低中速アップ、心地いい音質、そして美しいチタンブルーの焼け具合。装着後、なんだかバイクが喜んで見えたのは気のせいではないだろう。
リアルスペック シングルタイプ 車検対応/政府公認
最高出力 | 124.0ps(STD:120.9ps) |
最大トルク | 13.2kg-m(STD:12.9kg-m) |
車両重量 | 5.5kg(STD:10.0kg) |
集合方式 | 2-1 |
価格 | シングル チタンポリッシュ 25万8000円(税抜) シングル チタンドラッグブルー 25万8000円(税抜) |
・オイル交換可能
・フィルター交換可能
・純正パニアケース装着可能
・センタースタンド使用可能
アールズギアでは次々にBMW用のパーツを開発中。またBMWのみならず、ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの幅広い車種も手掛けている。さらにハンドルブラケットや、スタンドハイトブラケットなどのビレットパーツ、スクリーンやヒートガード、カスタムシートなども開発しているのだ。