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「憧れのガレージライフ」-The dream garage life.-①

触る、見る、過ごす、愛車と人生を刻む。

 バイクとは走ってナンボである。しかし走るだけがバイクの魅力ではない。洗車、磨き、メンテナンス、カスタムなど、愛車と共に過ごす時間に大きな意味がある。 そこでガレージだ。風雨や寒暑を凌げるガレージがあれば、愛車との時間はより濃密で豊穣なものとなる。
 今回は、本誌読者の皆さんの中からガレージライフを楽しんでいるライダーをピックアップ。DIYによる手作りから核シェルターなみの究極タイプまで、幅広く取り上げ、その楽しみ方や過ごし方を語って貰った。バイクに乗る者にとって、愛車と共に時間を過ごせるガレージライフは憧れであり、誰もが所有したいものだろう。その夢への参考となれば幸いだ。

Text:Takeshi Yamashita/BMWBIKES
Photo:Koichi Otani/Satoshi Mayumi/Takeshi Yamashita

BMWBIKES vol.105 掲載記事

皆さんのガレージライフ

Scene.1
ーセルフビルドしたガレージは書斎とリビングも兼ねる空間ー
茨城県米田智さん

2012年5月に、自宅の前庭へ友人といっしょに建てたウッドガレージ。壁面は濃いグレー、窓枠などはオレンジでアクセントをつけたペイントを施している。
ガレージ内はバイク用パーツ、ケミカル類、キャンプ道具などがきれいに整理整頓されている。壁面に棚などを追加しやすい、ウッドガレージの特徴をうまく生かしている。
限られた空間を効率よく使えるよう
工夫して設置された数々の棚。
ガレージの片隅にデスクを作り、パソコンを置くことで仕事部屋兼リビングとしても使えるようにしている。屋根には断熱材を入れておらず、クーラーがないこともあって夏季は気温が50度近くになってしまうそうだ。そのためクーラー導入も考えたが、ガレージ増築計画ができたので、現在は保留中とのこと。
監視カメラを設置しており、
セキュリティは万全だ。

仲間で集まって建てた
セルフビルドガレージ

米田さんは、F800S、R1200GS、そして現在はF800GSアドベンチャーとBMWを乗り継いできた。GSトロフィーを目指して機動性のあるF−GSにスイッチ、予選に2回チャレンジしたこともある。今はコンペティションよりもツーリング中心のバイクライフを過ごし、出身地である三重県まで鯛茶漬けを食べにバイクを走らせるアクティブ派だ。

「どうしてもガレージが欲しい」と、首都圏郊外に土地を購入。自宅の前庭にキットガレージを建てた。友人に手伝ってもらいながら3日間をかけたセルフビルドだ。

ビルドインガレージも考えたのですが、建築費や税金などを考えると、キットガレージのコストパフォーマンスが良かったんです」

グリーンベル製のキットガレージは、F800GSAのほかに、TW225Eとキャニオン製グラベルロードを保管。点検整備に必要なツールからスペアパーツ、バイク用ギア、キャンプ道具を収納するほか、パソコンを常備しておりリモートワークをこなす書斎も兼ねている。仕事の合間、あるいは休日のひとときをのんびりと過ごすリビングとしても活用している。

「今は私専用のガレージだけですが、いずれはもっと規模を大きくし、みんなが集まれる賃貸ガレージにしようと計画しています。郊外とはいえ首都圏から近く、駅近なので鉄道を利用すればアクセスもいいので、便利に使ってもらえるのではないかと思ってます」

計画はかなり具体的になっているそうで、準備が整い次第着工するという。新しいガレージが完成したときには、またあらためて伺い、オーナー同士が和気あいあいと集う様子をレポートしたい。

Scene.2
ー賃貸ガレージハウスをバイクオンリーにして基地のように楽しむー
(埼玉県)江村拓武さん

もともとクルマ用に借りたというガレージハウスをバイク専用として、ゆとりある空間に7台のバイクを保管。ツールやアクセサリーもたっぷりと収納できる広さだ。
現在所有しているバイクはR1250GS、R nineTスクランブラー、ハヤブサ、Z900RS、YZF-R1、TE250i、モンキー125の7台。サーキットも走るというZ900RSはやるところがないほどカスタムし、今はモンキーのカスタムに着手中。備え付けの棚には、GS用以外にこれまで所有したバイクで使ってきたパニアケースやホルダーを保管している。
賃貸ガレージハウスだけあり、
水回りも充実している。
吊り上げ式ゲートリフトは
R1250GSのタイヤ交換作業用に備えたものだ。
洗ったブーツをしっかりと乾燥できるスタンド。
このほかにもガレージ内には便利アイテムやツールを
たくさん備えてある。

整備も万全にできて
仲間と集えるバイク基地

ツーリングをメインとしつつも、オン/オフを問わずクローズドコースも満喫する江村さんは、現在7台のバイクを所有している。BMWはR1250GSとR nineTスクランブラーの2台。GSはロングツーリング、ナインTは近場の散歩ツーリングといった具合に使い分けているそうだ。

「このガレージは6年ほど前にクルマ用に借りました。でもその後、コロナ禍が起きる少し前からバイクが増えてきたので、それ以来ここをバイク専用ガレージとして使ってます」

ここは賃貸ガレージハウスで、2階は住居スペースだが、江村さんは2階を仕事と趣味の倉庫として使っており、バイクのマフラーなどのパーツも保管している。

また、江村さんが経営する会社のスタッフもバイクを趣味としているそうで、かつては彼らとシェアしていたこともある。今は一緒にツーリングへ出かける際の出発/解散場所にしたり、軽く飲食したりと、手軽に使える〝バイク基地〟として使っている。

ガレージにはジャッキのほか吊り上げ式ゲートリフトも備えてあり、GSのタイヤ交換なども江村さん自身が作業している。これだけの台数のバイクを保管していてもスペースには余裕がある。タイヤの作業を楽にするため「ゲートリフトをもう1台追加したいし、夜間作業しやすいように照明を強化したい」そうで、そうなるとタイヤチェンジャーなども設置したくなるだろうし、仲間とシェアできるバイク基地としての機能はますます高まる。自宅とガレージが多少離れていても、利便性を高めれば不便はないし、有効活用できるバイク基地となるのだ。

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