Text / Ryo Tsuchiyama
Photo / BMW Motorrad
Spectacular BMW R 18 custom
motorcycles from Canada.
圧倒的な存在感を放つ
Big Boxerを抱くR18を題材に
いかにして個性的な
カスタムバイクを生み出すか。
各国のビルダーが
相次いで車両を発表するなか
BMWモトラッド・カナダによる
カスタム・プロジェクトが完遂!
BMWモトラッドの歴史を語る上で欠かせない名車R5のDNAと最新のテクノロジーを融合させて誕生したR18。いま世界のカスタムビルダーたちは、こぞってR18を題材としたカスタムバイクの製作に熱をあげている。
そんな中、BMWモトラッド・カナダ公式のカスタム・プロジェクトとして製作されたカスタムR18が発表された。
この栄えあるプロジェクトに選ばれたのは、ブリティッシュ・コロンビア州ヴィクトリアのジェイ・ドノバン、同ケロウナのコンケラー・モーターサイクルズ、そしてオンタリオ州トロントのオーグメント・モーターワークスで、いずれも次世代を担うビルダーである。
プロジェクトにあたり、BMWモトラッドは「実走可能で法規も満たす」ことを条件としてビルダーに提示した。つまりショーバイクではなく、リアリティのある車両製作を求めたのだ。
こうして完成した3台はこれまで各国で製作されたカスタムとは一線を画す、前衛的なスタイル持つ車両から、古き良き時代のチョッパーテイストを具現化したもの、そして90年代のニュースクールカスタムを彷彿させるものまで、ビルダーそれぞれの個性がふんだんに投影されている。
いずれの車両もR18の象徴となるBigBoxerと、それを抱くループフレーム、そしてオープン・ドライブシャフトをどう引き立てるか、それぞれで異なるアプローチが採られているのも見どころのひとつだろう。
これからR18のカスタムに着手するのなら、こうした車両からエッセンスを拝借して構想を練ってみてはいかがだろう。
フューチャー・カフェと名付たこの車両は、ジェイ・ドノバン(上写真:左から2番目)が製作。最大の見どころはアルミで製作したタイトなタンク&シートと、その下端に沿うようにレイアウトした排気系だ。排気系の変更によりオイルパンまでが可視化されてBigBoxerの存在感がさらに際立っている。薄型の前後フェンダーにも注目。
オーグメント・モーターワークスのニック・アコスタ(上写真:右端)が製作したチョッパー。ペイントはタトゥーカルチャーにインスパイアされたもの。控えめなエイプバーと高さを合わせたシーシーバーが全体のバランスを整える。エンジンカバー類はあえてメッキを落としているのも面白い。前後ホイールは純正アクセサリーのビレット品である。
ロブ・ティーセン(上写真:左端)率いるコンケラー・モーターサイクルズの手がけたR18は、ディープなフロントフェンダーや砲弾型のライト、フレーム前部のスポイラーなど90年代のクルーザーカスタムを思わせる1台。ビレットホイールと渋めのメタリックペイント、各部のブラックアウトなどシンプルながらも、実は見どころの多い1台だ。