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BMW CE 04②

BMWBIKES vol.97 掲載記事

Text / BMWBIKES
Photo / Satoshi Mayumi

BMWBIKES
NEWMODEL INFORMATION

次世代電動コミューター

BMW CE 04

いよいよ未来がやってくる!?

EVバイクの未来は
日本のインフラ次第

 実物のCE04を目にして思うのは、全体的に直線的で上質な仕上がり。フルカバードされた車体は面が多く、一見浮いているように見えるシートやスクリーンの形状と相まって実に近未来的なデザインだ。次に特徴的なのが10.25インチの巨大なメーター。メインスイッチをオンにするとバッテリーの残量と航続距離が浮かび上がる。

 ハンドルの左右にあるスイッチ関係は現状のモデルとほぼ同じなので直感的に操作できる。このメーターにはこれまで通りの車体インフォメーションと、主にバッテリー関係の表示がされる。欧州では本格的にナビゲーションマップが使えるが、日本ではご存知の通り厳しいかもしれない。

 車格は意外とコンパクトでCエヴォリューションを始め、国産の250クラスのスクーターと比べてもスリムな印象だ。車体の右下にはヘルメットが一個入るラゲッジスペースが確保され、ハンドル下の右側に充電用のポートと左にUSBでスマートフォンの電源が取れる小物入れを装備している。

 スペック上では、最大出力42 hpの強力な水冷式モーターを搭載し、1回の充電で100~130km走る。0~50km/h加速は2.6秒、最高速120km/hの性能を発揮する。低出力の「L3e-A1」車両クラス向けに、モーターの最大出力を31hpに抑えた仕様も用意するという。

 リチウムイオンバッテリーは、通常の家庭用コンセント、公共の充電ステーションで充電が可能で、バッテリー残量がゼロだと出力2.3kwチャージャーで充電時間は約4時間20分。出力6.9kwの急速充電器を利用すれば、約1時間40分で充電できる。

 急速充電器を使用すれば、バッテリー残量が20%のとき、80%まで充電するのに約45分。自宅の充電設備や公共の充電ステーションで急速充電するにはモード3の充電ケーブルが必要という。BMWの四輪車と同じように、このCE04もBMWの充電ソリューションが利用できるのはうれしい。

 EVバイクが普及するには、こういったインフラ整備が整わないことには行動範囲がかなり限られてくる。高速のSAやPAでも多少充電設備が増えつつあるが、ガソリンスタンドに比べれば圧倒的に少ない。日本はそういったインフラ整備が遅いので、当面CE04は往復100km程度のシティユースとして、まずは活躍を始めるのだろう。

これはコンセプトモデルである「Definition CE 04」をイメージしたオプション仕様。日本で導入されるかは未定。
カラーは左ページで掲載しているマジェラン・グレー・メタリックとこのライトホワイトの2色が基本となる。
ボディの各所にLEDが仕込まれており、夜間はそれを光らせることで非視認性を高める「トーキョーコネクトGTXジャケット」。袖にあるセンサーでスイッチをオンにできるようだ。
U字型LEDをツインで装備したヘッドライト。フェイスはスリムでスマートな印象。
メインスイッチを押すと、この画面。バッテリー残量が一目瞭然。
ブレーキを握りスターターボタンを押すと走行モードの画面に。走ると速度とパワーメーター、回生ブレーキによる充電状態が表示される。
ライディングモードはECO、Rain、Roadの3種類。オプションでDynamicも追加可能だ。
メインスイッチの右側が充電用ポートで、左側がスマートフォンポケット。USB電源で充電ができるほか、充電中の過熱を防ぐためのファンも装備。
標準で装備される充電ケーブル。基本的にBMWの電動四輪車用バッテリーを改良して小型化したものなので、充電システムは共有できるのが嬉しいところ。
車体右のラゲッジボックス。ジェットヘルメットがギリギリで入るサイズで、オフ系やフルフェイスはやや厳しい。通常は充電ケーブルを入れておく。

時代の端境期を担う光明となるか!?

シート高は780mmとスクーターにしてはやや高い。ただ、シート幅がスリムなので、両足のつま先がきっちり着いている。
日本での価格は161万円~となるが、ABSプロ、ダイナミックトラクションコントロールやシートヒーター、アダブティブヘッドライトを装備する上位グレードなど、幅広いオプションが選べそうだ。
ライダーの身長は168cm、体重74kg。車体がスリムかつコンパクトなので片足の足着きは良好。ステップボードも自由度が高く、膝の曲がり具合も自然だ。
左側のスイッチはBMWの他のバイクとほぼ同じ構成。「R」ボタンを押せばバックも可能。
右側はグリップヒーターとモードチェンジ、スターター&キルを配置。オプションでダイナミック、ABSプロ、ダイナミックトラクションコントロールが追加可能だ。
シートは長く直線的でやや硬め。
足の自由度が高いステップボード。
しっかりした折り畳み式タンデムステップ。
フロントブレーキはφ265mmダブルディスク+4ピストンキャリパーを搭載。
テールはウインカーとストップランプの一体式。駆動ベルトがむき出しなのがいさぎよい。
リヤサスはプリロード調整機構付きのリンクレスモノショック。
ホイールは前後とも15インチのディッシュタイプ。

Specifications

モーター:水冷モーター
最大出力:31kw(42HP)/4900rpm
最大トルク:62Nm/1500rpm
定格出力:15kw(20HP)
全長×全幅×全高:2285×855×1150mm
軸間:1675mm
シート高:780mm
車体重量:231kg
最高速度:120km/h・0-50km/h:2.6秒
     0-100km/h:9.1秒
バッテリー:高圧リチウムイオン
      バッテリー(空冷)
バッテリー容量:60.6/6Ah(8.9kWh)
航続距離:130km
充電出力(10A):2.3kW フル充電 4時間20分0~80%:3時間30分
オプションの充電器(30A): 6.9kW
フル充電:1時間40分
     0~80% 1時間5分
     20~80%:45分

タイヤ: F 120/70 R15 R 160/60 R15
車体予想価格:約161万円~

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