Text & Photo / Akira Kurita
取材協力 / ワールドインポートツールズ
☎︎ 045-949-2451
www.worldimporttools.co.jp
「ステイホームを楽しむ」
歴史と伝統のあるBMWに負けず劣らず
一世紀を超える老舗メーカーが
いくつもあるのがドイツの工具業界。
ひとりでバイクいじりに
没頭するのに最適な今こそ
ドイツブランドのハンドツールを
手に取ってみたい。
工具好きの中でドライバーと言えばスイスのPBが有名だが、1936年にドライバー専業メーカーとして創業したWERAもそれに劣らぬ歴史と品質を誇る。
ドライバーやラチェットハンドルのグリップ形状は、粘土の塊を握った際に変形してできた形状を参考にしたと言われており、1960年代終盤には早くもこの形状に到達していた。
WERAのプラスドライバーは先端にレーザー加工による溝が刻まれ、ネジ溝から逃げづらいのが特長だが、BMWに必須のトルクスドライバーにも星型部にピッタリはまって食いつくホールド機構が備わっている。この機能により、指でつまめないような場所にあるボルトでもドライバー先端から落下することなく手元まで回収できる。この3サイズ以外のボルトもあるので、必要に応じて追加しよう。
L型レンチの90度部分に握りやすいグリップをセットしたT型レンチ。ダブルコンポーネントハンドルはドライバーと同様に硬さが異なる2種類の樹脂を使うことで、早回し本締めともに快適に使える。長軸側はボルトを落下させないホールド機構付き。グリップの穴は壁のフックに掛けて整頓するのに便利。
ブレーキマスターシリンダーキャップのプラスビスはドライバーが滑りやすいが、トルクスなのでなめる心配はない。その上でT型レンチを使えば、手も痛くならず快適に作業できる。
Zyklop(サイクロップ)はラチェットハンドルの名称で、この製品は布製折り畳みボックスにハンドルとソケット、トルクスを含むビット類をセット。現行BMWでソケットを使う機会は少ないが、携行性に優れた汎用工具セットとして魅力的。ソケットに14mmが入らないのが日本車オーナーには不思議。
布製ケースは芯入りで折り畳むと箱状になる。丸型ヘッドの首振りラチェットは、ホルダーを介してビットを駆動できる。オイルドレンボルトは日常メンテで触れる、数少ない非トルクスのキャップボルトだ。
工具はあくまでも作業のための道具だが、ドライバーひとつでもメーカーによってこだわりポイントが全く異なる。世界トップクラスの品質と性能を持つドイツ製工具に対して、アメリカ製や日本製工具も独自のアプローチで使いやすさを追求している。
そんな世界中の工具を体感できるのがワールドインポートツールズ。自宅で楽しむための……という趣旨から若干外れるが、是非とも店頭で愛車にマッチするドイツ工具に触れてもらいたい。
神奈川県横浜市都筑区荏田南1-17-4
☎︎ 045-949-2451
www.worldimporttools.co.jp
「素敵な工具で愛車をいたわる⑤」へ続く