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BMWで行きたい信州マル秘絶景スポット

BMWBIKES vol.86 掲載記事

Text / BMWBIKES編集部
Photo / Atsushi Sekino

新型コロナウイルスなどの影響により状況が変わっている可能性もありますので、ツーリングの際は事前に現地の情報を自治体などにご確認の上、実行するようお願い申し上げます。

今回はツーリングシーズンとなる夏にぴったりの、誰もが行きたい「絶景ポイント」をご紹介。しかも人の少ない「マル秘スポット」を6カ所集めました。おすすめのマル秘スポットばかりなので、ぜひチェックしてくださいね。

絶景スポット01

険道の先にある楽園高原

長野県塩尻市
高ボッチ高原

小規模の高原ながら
景色と雰囲気が抜群

 本誌がおすすめする夏のマル秘絶景スポット、1カ所目はちょっと変わった名前が印象的な高ボッチ高原です。

 高ボッチ高原は諏訪湖の北西に位置する標高1665mのなだらかな高原です。この高原がなぜマル秘かといえばアクセスする2本のルートがいずれも非常に細く暗い道なんです。いちおう高ボッチスカイラインという名前がついていますが、それは名ばかり。鬱蒼とした木々に囲まれた細いワインディングが続いているのでまだまだ訪れる人が少ないというわけ。

 そんな細い道を抜けると一気に空が開け高原に到着。ここの魅力はその景色です。南東の眼下には諏訪湖、奥に八ヶ岳、運が良ければ富士山も見え、西に目を移せば北アルプスの勇壮な峰々までもが見渡せます。1カ所でこれだけ有名な山々が見渡せる場所もなかなかありません。また夕暮れ時、北アルプスに夕日が沈んでいく様子はとても壮大で、さらに日が沈んだ後は、諏訪の町や松本市の夜景も楽しめるので、数カ所ある駐車場の隅にテントを張って一晩過ごしてみるのもおすすめです。

高ボッチスカイラインとは名ばかりの狭いアクセス路。ガードレールも少ないし、そこそこ対向車もある。また早朝や夕方は鹿の飛び出しもあるので細心の注意で!
高ボッチ高原にはこんな石碑があり、東西南北に見える山が表示されている。周囲の山々の景色を楽しむなら天候が重要なので、事前に天気予報のチェックを。

絶景スポット02

知られざる〝裏〟ビーナス

長野県松本市
県道62号美ヶ原公園沖線

まだまだマイナーな
もう一つのビーナスライン

 マル秘スポット2発目は、県道62号美ヶ原高原沖線です。場所は本家ビーナスラインのある美ヶ原高原の西側。武石峠から王ヶ頭という山へ続くわずか5kmの行き止りの道ですがその5km区間が、ほぼ全線にわたって絶景なのですからたまりません。

 アクセス路である県道62号は東の武石の町と、西の松本市からアクセスしますが、いずれも道中は展望の開けない急峻なワインディングで、とくに松本側からは延々と狭い道を走るので、別の意味で走りが楽しめます。

 武石峠の分岐を過ぎると景色は一変。残雪を頂いた北アルプスが屏風のように連なり、眼前に迫ります。ここには徒歩5分で「思い出の丘」という展望台もあるのでそちらもおすすめ。さらに道を進むと、今度は周囲が牧場風景に。天空の牧場の中を美しいワインディングが続いていて、奥に佇む王ヶ頭には数本の電波塔が立ち並びます。その景観はもはや日本離れした、まるで本場ヨーロッパアルプス的なもの。ビーナスラインに来たら必ず走りたい絶景路ですね。

武石峠から分岐して1kmほど走ると、最初のハイライト。突然目の前に屏風のような北アルプスが立ちはだかる。
2kmほど進むと今度は周囲が牧場風景に切り替わり、山の尾根筋を進む。北も南も景色が開けていて、天空の路にふさわしい景観。
この一帯は山深く鹿も多い。ふとバイクを停めて山を見たらカモシカと目があった。やつは近眼なのでこちらが動かなければ逃げない。
県道の終点には広い駐車場と売店、トイレがあり休憩に最適。そば、うどん、牛丼など、簡単な食事をとることも可能だ。

絶景スポット03

迫りくる北アルプスの絶景

長野県上水内郡
小川アルプスライン立屋展望台

北アルプスの山並みと
懐かしい里山風景の融合

 小川アルプスラインは鬼無里と小川村をつなぐ県道36号の愛称。小川アルプスラインという名称がついていますが、まだまだ認知度は低く、マイナーな道です。

 約15kmほどの区間はほどよい田舎のワインディングで、懐かしい日本の里山風景と、その向こうに残雪を頂いた北アルプスの峰々が迫ります。おすすめは南側からのアクセス。南から走り始めると徐々に標高が上がり、少しずつ北アルプスが顔を覗かせるから。

 途中には「アルプス展望デッキ」、「アルプス展望広場」、「立屋展望広場」といった展望台があり、いずれも北アルプスの展望が楽しめます。

 北の鬼無里に抜け信州そばを楽しむのもいいし、南東の信州新町はジンギスカンが有名なので、仲間と楽しむのもありでしょう。

小川村の里山を縫うように走る道なので、走りも景色も両方楽しめるのが魅力。民家も多いので控えめのスピードで楽しみましょう。
南側に位置する立屋展望台は標高773m。アルプス展望広場は890mと北に走るにつれ標高が上がり、アルプスの全容もはっきりしてきます。

絶景スポット 04

木崎湖と大町の天空ビュー

長野県大町市平
小熊山展望台

大空から湖へダイブする
不思議な感覚をぜひとも

 続いて紹介するのは大町市の木崎湖の「天空レイクビュー」です。これまでは北アルプスを眺めるほうが多かったのですが、ここは北アルプスから湖と街を眺めます。

 アクセスは国道148号で木崎湖の南側から木崎湖キャンプ場を目指します。道なりに進むと道は1・5車線のワインディングとなり、標高を稼ぎだします。約9kmほど狭い道をひたすらに走っていくと瞬間的に展望が開け、この展望台に到着です。

 山の中腹にある、なんの遮蔽物もない広場からは、木崎湖とその奥に大町や安曇野の街が一望できます。ここはパラグライダーの離陸所なので、広場の先端からは斜面が急な角度で降下しています。だから本当に、大空から湖へダイブするような不思議な感覚が味わえますよ。

アクセス路は道幅が狭く、雪の影響で道に土砂が残っていたり、山からの湧水が流れていることも多いので、スピードは控えめで。
ここは木崎湖フライトパークの私有地なのでバイクの乗り入れは厳禁。フライトの邪魔にならず、徒歩での見学は問題ないだろう。

絶景スポット 05

アルプス迫る超1級展望

長野県大町市
鷹狩山展望台

立派な展望台とレストラン!
いたれり尽くせり天空絶景

 次にご紹介するのは、長野県大町市の北東に位置する鷹狩山です。国道147号の大町市街から東の「大町山岳博物館」を目指し、そこから約10分ほどで鷹狩山展望台へ。駐車場にバイクを停め、宇宙船のような展望台(もちろん入場無料!)へ上がると、ガラス張りの巨大窓の向こうは全面、北アルプス! 北は白馬岳から鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳、蓮華岳と続き、南の常念岳まで、まさに北アルプスのフルキャストが眼前に迫ります。そのままダンダンと階段を上がっていくと、ビルならたぶん5階に相当する高さの屋上へとアクセスでき、そこからの大迫力の絶景が、このページの写真というわけです。

 この鷹狩山は標高が1164mと比較的低く、街や谷、向こうの山脈との距離が近いので、より迫力があるんですよね。

展望台に上がらずとも充分に風景を堪能することができる。西側を向いているので、夕日がアルプスに沈んでいく時間帯も壮大な天体ショーが楽しめるぞ。
これが展望台。屋上には無料の双眼鏡も設置されている。展望台のすぐ横には「エコーハウスたかがり」というレストラン(11時~14時・木定休)もあるので休憩も可能。

絶景スポット06

絶景中の絶景、いざ大空へ

長野県飯山市
県道411号鷹落山展望台

人々の生活を雲間から覗く
神々の気分を味わう

 さぁ、最後にご紹介するのは信州でもほぼ新潟に近い飯山市の鷹落山。千曲川に沿って走る国道117号から県道411号に入り、細い九十九折れを上がること約10km。峠の手前に未舗装路の入口があるのでそこを入ります。100mほど進むと、そこがマル秘絶景ポイント!

 眼下に飯山の町並みが広がる様子はもはやヘリコプターや飛行機からの景色と言っても疑われないでしょう。ほかの展望台と違うのは、景色が180度近い広範囲に広がるのと、規則正しい日本ならではの田園風景ということ。標高が約880mとそんなに高くないので、道を行き交う車なども見えるため、まるでミニチュアの世界を見ているよう。もはやそれは雲間から下界を覗く神になったかのような気分をも楽しめるのです。

すぐ近くに桂池という美しい池があるので、そこで休憩するのもよし。展望地を目指して、この池まで来てしまったら行きすぎなので引き返そう。
展望地までの九十九折れからも飯山の町並みが見える。この展望地の周辺には自販機やコンビニもないので、事前に飲み物や軽食を用意しておきたいところ。

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