BMWBIKES vol.98 掲載記事
Text / BMWBIKES編集部
Photo / Atsushi Sekino
取材日:2022年5月2日
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最近、GSで「オフロードを走りたい」とか
「林道を走ってみたい」という声をよく聞く。
しかし舗装されていない林道は
その難易度が様々で
なかなか安心して走れるルートが少ない。
そこで比較的フラットで荒れていない林道の
代表格である御荷鉾林道を紹介。
ダートの距離も約27kmあるので
初心者なら1日充分楽しめるだろう。
ここ数年、関東エリアではどんどん未舗装の林道が減ってきている。ダートの舗装化が進む一方で、林道走行中の事故により閉鎖されてしまった林道や、大きな台風の被害で道が崩壊し、そのまま修復されないケースなど、あらゆる原因で通行できない場所が増えた。
連続したダートが10km以上続くような林道は、もはやかなり少なく、地方まで出向かないと楽しめない時代になってきている。
そういった時代背景の中で、未だにダートがかなり残っており、しかも整備されたダートなので、初心者や女性でも比較的走りやすいのが、この御荷鉾(みかぼ)スーパー林道である。
おおまかな位置は群馬県南部、藤岡市から甘楽(かんら)郡南牧村に至る広いエリアを走る林道で、舗装も含めた総延長は約67.1kmにも及ぶ。
今回は関越自動車道の本庄児玉インターで降り、国道462号と県道176号で西を目指す。蛇喰渓谷を過ぎ、オフロードファンには有名な「日野カントリーオフロード」の入口を越えるとやがて県道177号の分岐に到着(ルートの詳しい解説と詳細地図はページ下部にて)。
ここを南下すると道なりに未舗装が始まり「林道東御荷鉾線」となる。
今回、筆者はブリヂストンのAT41をチョイス。このAT41はブロックタイヤに見えるが、メーカーでは「オンロードタイヤ」と分類している。
しかし、空気圧を前後2kgに落とし、エンデューロモードで走ると、御荷鉾林道ではほとんど苦労せずに走ることができた。
もちろんAX41やアナキーワイルド、カルー3などのほうが余裕を持って走れるが、空気圧を落とせばこういったモデルでもそこそこ走れるので参考までに。
東御荷鉾線は、谷筋から尾根に向かって九十九折れで登っていく林道なので、急勾配の狭いカーブが続く。場所によってはUターンの連続のような部分もあるので、初心者はある意味ここが最初の難関かもしれない。
路面も完全なフラットとはいかず、やや荒れている部分もあるので、どノーマルのタイヤだと少しきついかもしれない。しかしモードを「エンデューロ」に入れておけば最適なトラクションコントロールをGSが発揮してくれるので、初心者こそあえて電子制御に頼って走ってみることをおすすめする。
中級者以上なら、GSとの対話が最高に楽しい上りになるはず。ダートを6kmほど上ると、舗装の県道71号にぶつかり、この道は終了。
この県道71号も御荷鉾林道の一部で、西に進む。県道46号とぶつかり北へ走り、約2kmほど先の分岐を左へ進むと、再びダートが始まる。この道がいわゆる御荷鉾の本線ダートである。
本線に上がるとすぐに「山の神の丘」展望台だ。展望台には無料の双眼鏡があり、藤岡の街を一望できるので、時間があれば立ち寄ってみてもいいだろう。
御荷鉾のような長い林道は、一度入ると下山しにくく、途中で食事ができるお店もない。
だから林道に入る前にコンビニなどでランチ用のおにぎりやパンに加え、万が一崖落ちして遭難した場合なども考え、非常食も持っていると安心だ。
もちろん水は非常に大事なので、多めに用意しよう。
本線上にある「山の神の丘展望台」。西側がの展望が開けており、おもに藤岡市の市街地などが見える。
中央の望遠鏡は無料で、かなり倍率も高いので遠くまではっきりくっきり見えるから一見の価値ありだ。
林道東御荷鉾線は急激に山へ上がっていくので、急なターンの連続。一部砂利の多いシーンもあるが、初心者でもなんとかいけるレベル。左は管理棟付近の路面が最高に良好なエリア。両サイドには芝もあり、かなり走りやすいが、逆に観光の普通車も走っているので、速度にはご注意を。
「御荷鉾スーパー林道徹底ガイド2022②」
へ続く